元シェフが教える、皮なしソーセージ(サルシッチャ)のパスタ
「サルシッチャ」って、聞いたことはありますか? イタリア料理店のメニューで、よく見かける定番です。
僕も若い頃は、ソーセージといえばシャウエッセン(笑)。サルシッチャと聞いても、ピンときませんでした。印象が変わったのは、初めて食べた、レモンソースの手打ちパスタ。その美味しさに感激して、今でもパスタやピッツァのメニューにあると、ついつい頼んでしまう、思い出の料理です。
サルシッチャとは、イタリア語で「ソーセージ」のこと。ソーセージと聞くと、「腸に詰めるのは難しそう」と思われがちですが、ケーシング(皮)なしで、豚ひき肉とお好みのハーブがあれば、おうちで作れます。
形を整えて焼くだけなので、ハンバーグよりも工程が少なく済みます。後半では、今夜飲みたいワインに合わせて、仕上げを変える方法も紹介します。
先に結論:3つのポイント
- 塩1.8g(豚ひき肉の0.6%)と調味料を、最初からすべて入れて、白っぽく粘りが出るまで練る
- 3等分してラップで棒状に包み、1時間以上(できれば一晩)寝かせる(ラップのまま、冷凍保存もできます)
- 丸のまま中火で約5分、全面に焼き色をつけてから切り分ける
材料(2〜3人分)
自家製サルシッチャ(3本分)
- 豚ひき肉:300g
- 塩:1.8g(肉の重量の0.6%)
- 粗挽き黒胡椒:小さじ1/2
- セージ(乾燥または生):小さじ1/2(生なら、刻んで数枚)
- ローズマリー(乾燥または生):小さじ1/3(生なら、刻んで1/2枝分)
- おろしにんにく:1片分
- 白ワイン:20ml(大さじ1強)
※パスタには、1人1本(約100g)を使います。2人で作る場合、残りの1本は、ラップのまま冷凍できます。
パスタ
- 自家製サルシッチャ:2〜3本(1人1本・約100g)
- パスタ(1.6mm前後がおすすめ):160〜240g(1人80g)
- オリーブオイル:大さじ2
- にんにく:1片
- フレッシュローズマリー:1枝
- きのこ(舞茸・しめじ・エリンギなど):1パック(約100g)
- ケイパー:大さじ1
- パセリ(刻み):適量(大葉やセリでも、爽やかに仕上がります)
- パルミジャーノ・レッジャーノ(またはグラナパダーノ):大さじ2〜お好みで
茹で湯
- 水:2L
- 塩:20g(お湯の1%)
作り方①:自家製サルシッチャ
1. 混ぜて練る(約5分)
ボウルに、豚ひき肉、塩1.8g(0.6%)、おろしにんにく、黒胡椒、セージ、ローズマリー、白ワインを、最初からすべて入れます。手の熱が伝わりすぎないよう、指先で手早く、白っぽく粘りが出るまで練り合わせます。
2. ラップで包む(約3分)
タネを3等分して、それぞれラップの上に、棒状(直径3cmほど)に置き、両端をキュッとひねって、キャンディのように、空気を抜きながらきつめに巻きます。

3. 寝かせる(冷蔵庫で1時間以上、一晩ならなお良い)
冷蔵庫で休ませると、肉が締まり、塩とハーブの香りが全体になじみます。ラップで巻いた状態のまま、ジッパー付きの保存袋に入れれば、冷凍ストックもできます。使うときは、冷蔵庫で解凍してから焼いてください。冷凍の保存は、2〜3週間を目安にしましょう。
4. 焼く(中火で約5分)
フライパンに、少量のオリーブオイル(分量外)を中火で熱し、ラップを外したサルシッチャを、丸ごと入れます。転がしながら、全面に焼き色がつくまで、約5分焼きます。
5. 切る
一度取り出して、厚さ1.5cmほどの輪切りにします。

家庭のフライパンでは、切ったときに、中心がまだ生ということも、よくあります。それで大丈夫です。次のパスタのソースを作るときに、中心まで火が通るよう、しっかり炒めてください。
作り方②:パスタ
1. パスタを茹でる
水2Lに塩20g(1%)を入れて沸かし、パスタを、表示時間より30秒短めに茹で上げます。
2. にんにくとローズマリーで、オイルに香りを移す
にんにく1片は、縦半分に割って芯を取り、包丁の腹で軽くつぶします(つぶすと、香りがオイルに出やすくなります)。

フライパンにオリーブオイル大さじ2とにんにくを入れて、弱火にかけ、にんにくが軽く色づいたら、フレッシュローズマリーを加えて、オイルに香りを移します。

3. 具材を炒める
切ったサルシッチャときのこを加えて、中火で炒めます。サルシッチャの断面に、生の赤みがなくなり、中心まで火が通るまで、しっかり炒め合わせてください。

4. ケイパーと茹で汁を、乳化させる
ケイパーと、パスタの茹で汁(お玉1杯・約60ml)を加えて、フライパンを揺すり、オイルと水分を、とろっと乳化させます。

5. 和えて盛り付ける
茹で上がったパスタをフライパンに加えて、ソースを手早く絡め、器に盛ります。仕上げに、パセリと、パルミジャーノ・レッジャーノ(またはグラナパダーノ)を、上からふわりとかけて、完成です。香りを移したローズマリーは、盛り付けの飾りにも使えます。

大人の寄り道:今夜のワインで、仕上げを変える
ルールは、ひとつだけ。飲みたいワインに合わせて、仕上げの香りを寄せます。
今夜開けたいワインに合わせて、香りや具材を少し変えて、味を調律(チューニング)してみましょう。
赤ワイン(キャンティが理想。グルナッシュ・シラーでも)

仕上げの調律:今回の基本のレシピどおり、ニンニクとローズマリーを効かせた、ビアンコ仕立て(トマトを使わない、白い仕立て)です。
理由:豚肉の香ばしい焼き色と、ローズマリーの清涼感が、赤ワインのハーブ香や、果実味、スパイシーさと、重なりやすいためです。
白ワイン(ソーヴィニヨン・ブランなど)
仕上げの調律:ローズマリーの代わりに、いちょう切りにしたレモンをフライパンに入れて、ほかの具材と一緒に軽く炒め、仕上げにバジルを散らします。レモンは、加熱しすぎると、皮や白い部分の苦味が出やすいので、軽く炒める程度にしてください。
理由:レモンの酸味とオイルのコクが、ソーヴィニヨン・ブランの柑橘感やハーブ香と重なり、脂もすっきり感じやすくなるためです。
コクのある白ワイン(樽熟成のシャルドネなど)
仕上げの調律:パスタを和える直前に、牛乳(または生クリーム)大さじ2とバター10gを加えて、刻みパセリで仕上げます。
理由:バターや乳脂肪のコクが、樽熟成シャルドネの芳醇なアロマや、まろやかなボディと、調和しやすいためです。
※お酒は20歳になってから。
おわりに
前日にサルシッチャを仕込んで、冷蔵庫で寝かせておく(冷凍庫にストックしておく)。その準備があるだけで、翌日の夜は、ワインを開けながら、おうちバルを気軽に楽しめます。
手持ちのワインに合わせて、仕上げの香りを変えてみるのも、家飲みならではの楽しみです。ちなみに、わが家で妻がいちばん好きなのは、ゴルゴンゾーラやレモンクリームの仕上げです。こちらは、また別の記事で紹介しますね。
ぜひ、あなただけの組み合わせを探してみてください。
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この記事を書いた人
ジェラート職人(OEM商品開発も担当)・ソムリエ・元イタリアンシェフ(現場経験15年)。くわしくはプロフィールをご覧ください。
