カルディのブッラータで作る、りんごと生ハムのカプレーゼ
はじめに:ブッラータってご存じですか?
ブッラータは、モッツァレラの生地で作った袋の中に、細かく裂いたモッツァレラと生クリーム(ストラッチャテッラ)を包んだチーズです。ナイフを入れると、中からクリームがとろりとあふれます。
定番のトマトはもちろん、そのミルキーな味わいは、いちごや桃、シャインマスカットといった果物ともよく合います。
少し前まで、日本でブッラータを味わえるのは、ごく一部のレストランだけでした。私が厨房で初めて扱ったときも、そのおいしさに感動した一方で、届いたのは水に浸かったまま凍った2kg近い業務用の大袋。「一度にこんなに解凍して、どうやって使い切ればいいんだ」と頭を抱えたのも、今では懐かしい思い出です。
それが今では、KALDI(カルディ)をはじめ、通販や近所のスーパーでも、1個から手軽に買えるようになりました。
今回は、カルディの冷凍コーナーで買える「トーテムフード ブッラータ」(125g)を使って、秋が旬のりんごと生ハムを合わせたカプレーゼを紹介します。
切って盛り付けるだけの簡単な一皿ですが、味をまとめるための「調律」の理屈と、前菜から次の料理まで1本で通せるワインの選び方もあわせてお届けします。
先に結論:ブッラータをおいしく食べる3つのポイント
1. 解凍は冷蔵庫でじっくり半日
冷凍のブッラータは、パックのまま冷蔵庫に移して、ゆっくり解凍します。常温や電子レンジで急に戻すと、外側の生地がだれたり、中のクリームが分離したりしやすくなります。
解凍したあとは冷蔵(4℃)で保存し、3日以内に食べきってください。再冷凍はできません(ラベルの表示より)。
2. 割るのは食べる直前に
盛り付けの途中で割ると、クリームが流れて全体が水っぽくなり、見た目も味もぼやけてしまいます。ナイフを入れるのは、食卓に出してからにしましょう。
3. 仕上げの「塩・オイル・ペッパー」で味をまとめる
ブッラータはミルクの甘みとコクが主役で、塩気は控えめです。オリーブオイルの青い香りと少しの塩、ピンクペッパーのアクセントを足すと、ぼやけがちな乳脂肪の味が引き締まります。
材料(2〜3人分)
- 冷凍ブッラータ(トーテムフード):1個(125g)
- りんご(甘みの強い品種):1個
- 生ハム:5〜6枚(お好みの量で)
- EXヴァージンオリーブオイル:20ml
- 塩:少々
- ピンクペッパー:8粒ほど(お好みで)
- ローズマリー:1枝(飾り用・お好みで)
- はちみつ:適量(りんごが酸っぱかったとき用)
材料選びのコツ
りんごは、酸味が穏やかで甘い品種を
ブッラータに合わせる果物は、柑橘やベリーのような酸味のあるものも定番です。ただ、今回の主役は生ハムとブッラータ。酸味が強いと、生ハムの塩気やブッラータのミルキーさとぶつかって、口の中で味がまとまりにくくなります。
ふじ、シナノスイート、秋映のように、酸味が穏やかで甘い品種を選ぶと、果実の甘みが塩気を引き立てて、前菜とデザートのあいだのような一皿になります。
酸っぱいりんごに当たったら、はちみつをひと回し
切ってみたら思ったより酸っぱかった、ということもありますよね。そんなときは、上からはちみつをひと回ししてください。甘みが補われるだけでなく、ブルーチーズにはちみつをかけたときのような「甘じょっぱい」おいしさが生まれて、味がまとまります。後で紹介するワインとも合わせやすくなります。
作り方
工程1:りんごをひと口大に切る
りんごはよく洗って皮ごと使い、芯を取ってひと口大に切ります。薄切りではなく、厚みを残すのがコツ。かんだときに果汁があふれて、濃厚なクリームに負けません。
塩水やレモン汁での色止めはしません。切ってすぐに盛り付けて食べる料理なので、色の変化はほとんど気になりません。むしろ塩水やレモンの味が、りんご本来の甘みと香りの邪魔になります。
工程2:ボウルにりんごを入れ、ブッラータをのせる
解凍したブッラータは、表面の水気をペーパーで軽くふき取ります。ボウルにりんごを入れ、その上にブッラータをのせます。
工程3:まわりに生ハムを並べる
ボウルを木の板や大きめのお皿にのせ、まわりに生ハムを並べます。冷蔵庫から出して少し置くと脂がゆるんで、口どけがよくなります。
工程4:塩、ピンクペッパー、オイルで仕上げる
ブッラータとりんごに塩をふり、ピンクペッパーを散らして、オリーブオイルを回しかけます。お好みでローズマリーをのせます。香りづけなので、食べるときは外して大丈夫です。
ピンクペッパーは、黒こしょうのような強い辛さではなく、甘酸っぱいベリーのような香りと、ほのかな苦みが特徴です。全体の味を上品にまとめてくれます。
完成
りんごの赤と白、ブッラータの白、生ハムのピンクに、ピンクペッパーの赤が映えて、食卓が華やかになります。食べる直前にナイフを入れ、あふれたクリームをりんごや生ハムにからめて召し上がれ。
大人の寄り道:飲みたいお酒に寄せる3つの選択肢
合わせるお酒は、そのとき「何を飲みたいか」で選ぶのが一番です。おすすめの3パターンを紹介します。
A:前菜から次の料理まで1本で通すなら「冷やしたランブルスコ」
- ラベルで探す言葉:Lambrusco Secco(辛口の赤の微発泡)
- 理由:いちごやチェリーのような赤い果実の香りがピンクペッパーと重なり、細かい泡が生ハムとブッラータの脂を軽く流してくれます。次のトマトパスタまで、この1本で楽しめます。
B:すっきりさせたいなら「辛口の泡」
- ラベルで探す言葉:Cava Brut、または Cidre Brut(りんごの発泡酒)
- 理由:きりっとした酸と泡が、クリームの濃さをリセットしてくれます。シードルなら、お皿のりんごと香りが重なります。
C:果実味に寄せるなら「冷やした白ワイン」
- ラベルで探す言葉:Chardonnay、または Riesling
- 理由:シャルドネのふくよかな果実味や、青りんごを思わせるリースリングの酸が、生ハムの塩気を包んでまろやかにまとめてくれます。
おわりに:あなただけの組み合わせを探してみてください
ブッラータは、合わせる食材の「甘み・塩気・油分」のバランスさえ整えれば、いろいろな素材を受け止めてくれるチーズです。
今回はりんごを使いましたが、洋梨や柿、季節が変われば柑橘や桃でも楽しめます。酸味が強いと感じたら、はちみつをひと回し。そのときの果物で、あなただけの組み合わせを探してみてください。
次回は、この前菜で開けたランブルスコをそのまま楽しめる後編「ブッラータをのせたトマトソーススパゲティ」をお届けします。
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この記事を書いた人
ゆきお
イタリアンシェフ、ソムリエ、パティシエとして、15年の現場経験を持つ料理人。現在はジェラートの仕事と、食の商品開発(OEM)に携わりながら、「理屈がわかると、料理はもっと楽しくなる」をテーマに、家庭で再現できるプロのコツを発信しています。愛犬は黒柴のぷうぷうと、チワックスのぐうぐう。
