開封後のワイン救済術。ソムリエ&パティシエのレシピ3選
「数日前に開けて残ったワイン、味が落ちた気がして流しに捨てていませんか?」
料理用の煮込みに回すのもいいですが、実はちょっとしたひと手間で、おいしい1杯やデザートに生まれ変わります。今夜すぐに試せる3品を紹介します。
中でもサングリアは、僕の昔からのお気に入りです。一時期は、安い新品のワインをサングリアのために開けていたほど。夏はビールではなく、このサングリアかカンパリソーダをぐびぐび飲むのが定番でした。救済のつもりで作っても、新品を開けたくなるくらいおいしい。そんな3品です。
そのワイン、本当に劣化していますか?
捨てる・アレンジする前に、知っておいてほしいことがあります。
ワインにもよりますが、普段飲みのテーブルワインなら、2〜3日くらいはコルクで栓をするだけで、おいしく飲めることのほうが多いです。
味が変わった?と思ったら、冷蔵庫でキンキンに冷えたまま飲んでいませんか?
冷えすぎると果実味や香りを感じにくく、そのぶん酸味や渋みを強く感じることがあります。
赤ワインは、ボトルを触ってほんのり冷たいくらい(15℃前後)が目安です。冷蔵庫から出したら、少し置いてから飲んでみてください。白ワインは、甘口ならキンキンに冷えたままで大丈夫。辛口は10℃くらいが香りを感じやすいので、冷蔵庫から出して10分ほど置くのがおすすめです。
それでも飲みにくければ、ここからの3品の出番です。
1. 【白ワイン】トニックウォーターで割るスプリッツァー
白ワインをソーダで割る「スプリッツァー」ですが、少し風味が落ちた白ワインには、トニックウォーターを合わせるのがおすすめです。トニックのほのかな甘みと、すっきりした後味が、香りの落ちた白ワインを持ち上げます。
材料
- 白ワイン:残った分
- トニックウォーター:ワインと同量(1:1)。銘柄は何でもOK
- 氷
- 柑橘(レモン、ライム、すだち、オレンジなど)
- ハーブ(ローズマリーやミントなど。なくてもOK)
作り方
- グラスに氷を入れ、柑橘とハーブを入れる。
- 白ワインを注ぎ、冷えたトニックウォーターを満たして、軽くひと混ぜする。トニックを注いだ瞬間に、泡が一気に立ちのぼります。
Point
アルコールを弱めにしたいときは、トニックを多めに。柑橘はレモンだけでなく、すだちやライム、オレンジでもおいしく作れます。
2. 【赤ワイン】漬け込み不要!カシス香るサングリア
何時間もフルーツを漬け込む必要はありません。カシスリキュールとオレンジを合わせるだけで、すぐに飲めるサングリアが完成します。カシスの甘みと果実味が、開封後にとがりやすい渋みや酸を包んでくれます。
材料
- 赤ワイン:残った分
- クレーム・ド・カシス:ワインの1/8が目安(ワイン120mlなら大さじ1=15ml)
- オレンジ(スライスまたはカット)
- 氷
作り方
- グラスに氷とオレンジを入れる。
- 底にカシスを注ぎ、その上から赤ワインを注ぐ。氷を伝って、カシスとワインの色が重なっていきます。
- マドラーで軽く混ぜる。
Point
甘さは気分で調整してOK。カシスを増やすか、ガムシロップやはちみつを足すと、甘めに仕上がります。赤ワインが苦手な人にもおすすめの飲み方です。はちみつは冷たいと溶けにくいので、先にカシスと混ぜておくのがコツです。
3. 【赤ワイン】アイスで作る、大人のワインシェイク

赤ワインで作る、ひんやりしたフローズンデザートです。アイスの甘みがワインの酸や渋みを和らげ、冷たさが全体をキリッと引き締めます。
材料(作りやすい分量)
- 赤ワイン:100ml
- アイス(ミルクまたはバニラ):240ml(例:牧場しぼり2個)
- 砂糖(きび砂糖など):10〜20g(ワインの10〜20%。好みとアイスの種類で調整)
- トッピング:お好みのフルーツ(イチジクやベリーなど)
- 仕上げ:ロータス・ビスコフ1〜2枚(森永チョイスやグラノーラでも)
作り方
- ミキサーにアイス、砂糖、赤ワインを入れ、なめらかになるまで回す。
- グラスに注ぐ。とろりと落ちていく、このワインレッドがたまりません。
- フルーツをのせ、ビスコフを手で砕いて散らす。
Point
冷たくなめらかなシェイクに、ビスコフのザクザクした食感と香ばしさでコントラストを。シナモンの香りは、赤ワインの果実味に重なるアクセントになります。シナモンが苦手なら、森永チョイスやグラノーラもおすすめです。
大人の寄り道:残ったワイン、どれにする?
- さわやかな白 → スプリッツァー
- 渋みや酸が立ってきた赤 → サングリア
- 果実味の濃い赤 → シェイク
赤でスプリッツァー(スプリッツァー・ルージュ)、白でサングリア(サングリア・ビアンカ)にしても楽しめます。
おわりに
ワインが残ってしまったときは、がっかりするのではなく「新しい楽しみ方のチャンス」。まずは適温で本来の味を確かめて、それでも飲みにくければ、割る・合わせる・デザートにする。
僕は、シーンで選んでいます。食前から食事のはじめにはスプリッツァー、食事から食後にかけてはサングリア。食後や夜のひととき、休みの日のくつろぎ時間にはシェイク。
その日の気分やシーンに合わせて、今夜の1杯を選んでみてください。
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この記事を書いた人
ゆきお
イタリアンの現場で15年働いた元シェフ。ソムリエの資格を持ち、現在はパティシエ・ジェラート職人として、食の商品開発(OEM)にも携わっています。「理屈がわかると、料理はもっと楽しくなる」をテーマに、家庭で再現できるプロのコツを発信しています。愛犬は黒柴のぷうぷうと、チワックスのぐうぐう。
